「人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか? 山本 一成 (著)」を読みました。
著者は将棋AIソフト「Ponanza」開発者の山本一成さん。
「Ponanza」は2013年、佐藤慎一四段と対戦して勝利し、
現役のプロ棋士に勝った史上初の将棋ソフトです。
そんな人工知能の誕生秘話、これからのAIについて面白く書かれていたので紹介します。
AIと人間の関わり方
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本書で私が面白いと感じたのは、人間のAIに対する感情の変化です。
「Ponanza」が初めてプロ棋士を倒した時、将棋関係者はお通夜ムードだったそうです。
人間代表がAIに負けてしまったと。まるでAIが強大な敵のように。
それが時代の変化とともに、人間はAIを受け入れていくようになりました。
AIを先生と呼び、AIの刺す手を人間が研究するようになったそうです。
著者は今後AIが法律となって人間を管理する時代にも触れていました。
今聞くとビビってしまいますが、未来にはそれを受け入れている人間がいるかもしれませんね。
人間が教える学習からAI同士の学習へ
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AIが学習していくには大きく2通りの方法があって、
人間がAIに教えてあげる方法と
AI同士が教え合う方法です。
始めAIは何もわからない状態から人間が教えていきますが、
人間が教えるには限界があります。
そこでAI同士で将棋を指し合い、お互いに学習し合うようになるそうです。
数分間で何億もの対局をするそうですがら、人間の理解が及ばない所まで行きますよね。
まさに精神と時の部屋!
AIの黒魔術
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そんな学習方法が故に、
実はAIがどのように学習していったか制作者でも全貌を把握していないらしいです。
そのことをAIの黒魔術なんで呼んでいるそうな。
人間は最初のプログラムを組んだだけで、あとはAI同士が学習し合う。
その全貌は誰も知ることのない世界です。
ディープラーニングと呼ばれる技術を用いているそうですが、
その構造は人間の神経細胞の作りに非常に似ているそうです。
実はその中でAIにも感情が生まれているのではないかと考えるとワクワクしますね。
AIは今後どこにいくのだろう?
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最近、画像AIや文章AIといったAIの進歩を一段と聞くようになり、
AIと人間の共存を考えさせられます。
AIが人間の仕事を奪うなど不安視することもありますが、
私は人類の今後の発展にAIは必ず必要なピースだと思っている人間なので、
今後のAI業界の動向には目を向けていきたいと思いました。
それでは!